いまからお話するのは、ちょっと上級なんですが、サイレントシンギングともいわれたり、指揮者がやっていることでもあります。
音を実際に出さずに、心のなか、頭のなかで、いま弾いている曲を、体に鳴らすのです。何回も何回も。ドレミで歌うのです。大切に長く歌う音符や次の音へ向かうメロディの部分や、波が向こうからきたり、退いていくのをメロディに感じたり、メロディを支えて動くバスラインを深く感じたり、さまざまなポイントを持って楽譜を、体のなかで再現、想像するのです。
寝ているあいだにもできます。起きたらメロディがふくよかになっていたり、楽しく色彩感が加わっていたりします。
まるで会話のように、音楽が生き生きしてきたりします。一生懸命弾いてばかりいるのでなく、じっくり静かに、楽譜を心と頭で読み、感じていくことが大切だと思います。
小さな子どもたちは、なかなか集中できませんが、小学生高学年になれば、サイレントシンギングができるかもしれませんね。
わたしは、毎日真夜中にやっています。そうやって自分の表現を創造しています。