最近は、アファナシェフというピアニストが弾くベートーベンソナタ、悲愴、月光、熱情をよくきいています。過激なテンポ設定でなく、1音ずつがクリアに説得力のある音で演奏されています。
まるで川にしずんだ美しい石がキラリとひかっているような音です。焦るテンポ感もなく、しっかり大地に根付いた安定感のある音楽が響いてきます。
ソロリサイタルでひいた悲愴を含め、30年ぶりにまたベートーベンソナタをコンサートで弾きたいと思います。心がずっしり安定したスケールの大きな写実的音楽を奏でたくなりました。コロナで世の中が不安で大変なときこそ、音楽家として、パワーのあるベートーベンを皆様に聞いていただきたいとおもいます。いま、自分にできることを社会のために、したいと思います。音楽の力を信じています。皆様、よろしくお願いいたします。