忘れられない生徒さん①
うちには、シニアの生徒さんも多く、中でも愛しくかわいい80才を越えられたおばあちゃん(?)がピアノを習いに来られていました。
バスに乗って1時間もかかる教室に月2回来て下さいました。
妹様の介助もありながら毎回うれしそうに「先生、これおいしおっせ どうぞ召し上がってください。」と箱にぎっしりの大きなシュークリームがい一っぱい。
毎回「えっーすごいおいしそうやねー。1回頂いてみます。」と私はずっしりカスタードの入ったシュークリームを帰りの自転車のかごにのせて、内心「また太るなー、でもおいしいし」と思いつつ、家路につきます。
たぶん認知症も患ってられたこの生徒さんは、家ではほとんど怒ってられたようですがレッスンの時はにこにこ笑って下さいました。
レッスンの半分は私がサロンパスの臭う肩や手をマッサージしたり、戦時中のお話をきく時間でしたが「たき火」ゃ「ローレライ」「植生の宿」などを弾かれ、お互いに安らぐひとときでした。
実の祖母のようでした。
輝く感性
昨年のクリスマス、サンタが回転し木にデコレーションライト、 テーブル上のろうそくが灯るかわいいオルゴール (ルージュ社スイス) を暗くしたレッスンルームで生徒と聴きました。
「わー なんてかわいいんやろう。お母ちゃんにも見せたげよ★」
生徒小学3年生は心ときめき、うれしくてたまらない様子でした。
「先生、このオルゴールの曲弾きたいからノートに書いて!」と言われ、オルゴールとピアノはつながっていたことを発見。
短いフレーズをノートに書いてあげ、オルゴールといっしょに弾いたり、一人で弾いたりルンルンの生徒。
音楽はひとつなんですね。
子供の感性はすばらしく心は柔らかです。
生徒の心を受容しながら、次はブルグミュラーの「さようなら」を自然に聴かせてみました。