今日は、今まで生きてきた中で、ピアノを弾いていて一番心が震えた。
カッチーニの「アヴェ・マリア」を吉松隆さんが左手のために編曲したもの。(舘野泉、左手のピアノシリーズ、音楽之友社 出版)
あまりに美しく優しい曲に、涙があふれた。あ~ こんなにいい曲と出会えたんだ…にじみ出る、生きている喜びに浸ったのだ。
人生は、折れ線グラフのように悲喜こもごもだけれども、神様は見ていると感じた。長いトンネルをくぐりぬけたり、温かくすばらしい人々に出会えたり、見ず知らずの土地でたくさんのコンサートができたり…。台風被災による自宅被害、入院、引越しによるダメージなど様々なことの上に、今回のコロナ。うちの夫も休業要請を受けている。大変な世界になっているが、いつか明るい未来がくると信じて生きよう。
今しかできないことにトライしてみよう。オンラインで勉強も始めたし、パソコンに向かう時間も増え、本や音楽や美術にも出会えている。
いつか私のカッチーニ「アヴェ・マリア」を誰かに届けたい。
人は美しく優しい音楽に、救われるだろう。
まえじまゆみ